金沢 新規事業計画書RAMEN × MACHIYA × FRANCHISE
金沢市の条例は、簡易宿所に玄関帳場の設置と対面での本人確認を義務づけている。本事業はその受付機能を自社で開くラーメン店に置くことで要件を満たし、規制対応そのものを収益事業に転換する。商品の差別化は、通常の流通では入手が難しい国産・和牛の骨にある。
金沢市は全国でも屈指の厳しさで宿泊事業を規制している。民泊新法では年間約60日しか営業できず、旅館業許可を取っても「玄関帳場(フロント)の設置」と「対面での本人確認」が義務づけられる。通常、この要件を満たすには受付拠点を借りるか、代行業者へ高額なフィーを払うしかない。
そこで町中に自社のラーメン店を開き、そこを法律上の「施設外玄関帳場」にする。当社はすでに名古屋・金山でラーメン店「熊猫商店」を自社運営しており、業態のノウハウもITも手元にある。さらに通常の流通では入手が難しい国産・和牛の骨を仕入れられる。牛骨スープという他店が再現できない一杯を出しながら、宿の鍵を渡す。
カウンター11席の小箱を居抜きで開業。単体で黒字を狙う本気の飲食事業であり、同時に宿の玄関帳場と送客先を兼ねる。昼から深夜まで開いているため、チェックイン受付時間が広く取れる。
ラーメン店から10分圏・用途変更200㎡以下の金澤町家を一棟貸しに。ラーメン店を帳場として登録することで通年365日稼働が成立する。裏側は自社開発のシステムとスマートロックで無人化。
宿は1棟ずつしか増えないが、ラーメンは「型」が売れる。和牛骨の供給+自社プロダクト一式+運営マニュアルをFC本部としてパッケージ化する構想がある。ただし本資料の収支には含めていない(第11章)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資金使途 | ①ラーメン店の開業 1,200万円 ②金澤町家の取得・改修 3,200万円(計 4,400万円) |
| 補助金の見込 | △400万円(第05章。併用可否が未確認のため保守的に算定) |
| 実質所要資金 | 4,000万円 |
| 調達 | 自己資金 1,100万円 / 借入 2,900万円 |
| 借入条件(想定) | ラーメン店 900万円・7年 / 町家 2,000万円・15年・年2.0% |
| 年間返済額 | 293万円(2年目以降。1年目はラーメン店分のみ69万円) |
| 返済原資(連結営業利益) | 1年目 71万円 / 2年目 1,025万円 / 3年目 1,679万円 ※ FCの収益は含めていない |
| 返済余裕率(3年目) | 5.7倍(連結営業利益 ÷ 年間返済額) |
| 投資の実行方法 | 2段階。1段目1,200万円の実績を確認してから2段目3,200万円へ進む(判断基準は第23章) |
本事業は、遊休不動産の利回りを取る不動産投資ではない。当社が既に保有する経営資源 ― 飲食業態の運営・出店実績、和牛骨の仕入ルート、自社開発SaaS、金沢の地縁 ― を組み合わせて収益化する事業である。新たに取得するのは物件2件のみで、運営ノウハウ・仕入・システムはいずれも既存資産を転用する。
当社は業務システムの自動化を出発点に創業し、現在は店舗型ビジネス(飲食・美容等)のITコンサルティングを主力としている。あわせて自社で飲食店を直営し、提案する仕組みを自店で検証してから顧客へ提供する方針をとっている。
直営店は名古屋市中区金山の「熊猫商店」(ラーメン・定食・餃子)。2025年12月には同じく金山駅前に40席のラーメン店を出店し、物件取得・内装・許認可・採用・数値管理までを自社で一巡している。本計画の費用構造は、この出店の収支計画表と開業後6ヶ月の実績値を土台に組み立てた(第12章)。未経験業態への新規参入ではなく、既存業態の地域展開である。
①仕入/本事業の差別化要素である和牛骨の調達ルートが金沢にある(下記および第08章)。他地域では再現できない。
②地縁/代表の出身地であり、物件情報・人材・行政窓口へのアクセスがある。
③市場/石川県の外国人延べ宿泊者数は2019年同月比で全国トップの伸びを示している(第02章)。
木格子と石畳。木格子と石畳。この街並みが商品の一部になる
新たに取得するのは物件2件のみである。以下はいずれも既に保有し、稼働している資源であり、本事業の実現可能性の根拠になる。
店舗型ビジネスのDX伴走。今回の自動化実装とFCの仕組みが、そのまま商材になる。
自社直営のラーメン店。あっさり醤油・こってり背脂・味噌・辛味噌+自家製黒豚餃子。ラーメン業態の運営を自社で回している実績と、ITの実証場。
家業の焼肉店を通じて培った精肉ルート。通常では仕入れが難しい国産・和牛の骨を確保できる(第08章)。
当社の飲食コンサル先に人気の牛骨ラーメン店が存在する。レシピ監修とFCの共同展開の相手になり得る(第11章)。
北陸新幹線の開通以降、金沢は歴史的景観と現代アートが融合する都市として世界的な認知を得た。令和6年能登半島地震という未曾有の災害を経てもなお、観光需要は驚異的な回復力と成長力を示している。
米国の有力旅行メディア「ナショナルジオグラフィック」の「2025年に行くべき世界の旅行先25選」、および富裕層向け旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」の評価に金沢市が選出されている。これは一過性のブームではなく、金沢の古い町並みと伝統文化(禅宗文化、歴史的建造物)に対する高付加価値層の渇望が定着したことを示す。
能登半島地震の被災地支援を目的とし、旅行代金の最大50%を補助。宿泊単体で1泊最大2万円、2県以上の周遊型旅行では最大3万5千円。期間延長・再開が繰り返され、旅行客の強い動機付けとして機能してきた。
近畿日本ツーリスト等が「今行ける能登応援ツアー」として、金沢市での宿泊を伴う旅行に1人最大7,000円割引などを展開。金沢市は能登復興支援のハブ(宿泊拠点)として、ビジネス・レジャー両面の需求を吸収している。
宿と組み合わせる飲食業態としてラーメンを選ぶ理由は3つある。
ラーメンは言語の壁がほぼなく、ひとりでも入れて、待たせず出せる。チェックイン直後の食事としては、コース料理よりはるかに入りやすい。
カウンター11席・居抜きなら投資は約1,200万円。町家(3,200万円)と同時に抱えても資金計画が組める規模に収まる。失敗した場合の損失も限定できる。
玄関帳場は「宿泊客が到着する時間に開いている」ことが絶対条件。ラーメン業態なら昼から深夜までの通し営業が自然で、熊猫商店で実績もある。
本計画の前提を決める章である。インバウンド急増による騒音・ゴミ出し等の生活環境悪化を懸念した金沢市は、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行に合わせて独自条例を制定し、強力な営業制限を課した。規制の中身を正確に把握しないと、事業の組み立てができない。
住宅宿泊事業法は原則として年間180日を上限に宿泊営業を認める制度である。しかし金沢市住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例 第18条の適用により、特定の用途地域では営業可能期間が極端に制限される。
| 対象となる用途地域 | 金沢市独自の条例による営業制限 |
|---|---|
| 第一種・第二種低層住居専用地域 | 平日の営業を全面禁止 |
| 第一種・第二種中高層住居専用地域 | 平日の営業を全面禁止 |
| 第一種住居地域(延床3,000㎡超) | 制限対象 |
| 工業地域 | 制限対象 |
上記の住居専用地域では、実質的に「土曜日の正午から月曜日の正午まで」および「国民の祝日の正午から翌日の正午まで」しか営業できない。平日を跨ぐ営業が一切禁止されるため、稼働日数は年間で約60日程度に激減する。
簡易宿所の許可を取る方針を固めても、次の壁が待つ。金沢市は2020年7月に金沢市旅館業の適正な運営の確保に関する条例を改正し、全国でも類を見ないほど厳しい要件を追加した。要点は「玄関帳場(フロント)」の設置と「対面での本人確認」の義務化である。
スマートロックとタブレット端末だけの完全無人運営では許可されない。施設内に玄関帳場を設けるか、施設外玄関帳場を設ける必要がある。
「当該管理者不在簡易宿所におおむね10分以内に到着することができる場所に設けること」と定められている。
「面接の方法により、全ての宿泊者の本人確認及び人数確認をしなければならない」。ただし「面接と同等の方法として市長が認める方法」による代替の余地が条文上ある。
なお、この規制が多くの新規参入業者にとって高いハードルとなり、初期投資とランニングコスト(人件費)を押し上げている。この負担を抑えられるかどうかが、金沢での採算を分ける。それが第07章の考え方につながる。
金沢市は宿泊税を導入しており、2024年10月に制度が改正された。1人1泊5,000円未満の免税点が新設され、低価格帯施設の税負担と申告の手間は軽減された。
| 宿泊料金(1人1泊・税抜) | 宿泊税額 | 該当施設のイメージ |
|---|---|---|
| 5,000円未満 | 免税(0円) | ドミトリー、カプセル、安価な素泊まり |
| 5,000円以上 20,000円未満 | 200円 | ビジネスホテル、中価格帯の町家宿 |
| 20,000円以上 | 500円 | 高級旅館、一棟貸し富裕層向け町家 |
本計画の物件戦略には、既存店を帳場に使う方式にはない自由度がある。10分の円の中心を、自社で選べることだ。帳場を新規に開くため、町家が残るエリアに合わせて中心を置ける。ラーメン店と町家、二つの立地条件が重なるエリアを先に決めることが、この章の仕事である。
| 項目 | 条件 | 理由 |
|---|---|---|
| ★立地 | 金沢市中心部で昼夜とも通行量のある町中 | 柱1を単体で黒字にする。宿の送客だけでは席が埋まらない |
| ★席数・面積 | カウンター10〜12席/10〜15坪 | 投資1,200万円の範囲に収め、少人数で回す |
| ★受付スペース | 入口付近に帳場として使える一角を確保できる | 施設外玄関帳場の要件(Q-01の回答次第で具体化) |
| 物件種別 | 飲食店の居抜き(造作譲渡)を優先 | 厨房・排気・グリストラップの新設費を回避 |
| 設備 | ガス容量・排気・給排水が寸胴の連続稼働に耐える | 牛骨を長時間炊くため熱源と換気が要件になる |
| 家賃 | 月25万円以内(売上比10%以下を目標) | 家賃比率が利益率を決める最大要因 |
| 営業時間 | 昼〜深夜の通し営業が可能(近隣・契約上の制約なし) | チェックイン受付時間を広く取るため |
坪庭を望む座敷。この一枚が撮れる物件かどうかが、ADRを決める
金沢の歴史的価値を活用しインバウンド層を惹きつけるには、物件を金澤町家(昭和25年以前に建築された伝統的建造物)に絞るべきである。ただし古い町家を簡易宿所へコンバージョンする道には建築基準法という壁が立ちはだかる。
住宅から簡易宿所への転用は用途変更にあたる。決定的に重要な基準は、2019年6月の法改正で緩和された「用途変更する部分の床面積が200㎡以下か、それを超えるか」という閾値である。用途変更の対象床面積(客室だけでなく廊下・階段等の共用部を含む)が200㎡以下の町家を厳選することが、初期投資と工期を大きく左右する。物件選定の必須条件としている。
| 項目 | 条件 | 理由 |
|---|---|---|
| ★立地 | ラーメン店から徒歩または車で10分以内 | 施設外玄関帳場の距離要件(条例) |
| ★用途変更対象床面積 | 200㎡以下 | 建築確認申請の免除ライン(建築基準法) |
| ★建築士の適合証明 | 発行可能と事前ジャッジされていること | 旅館業許可の実務要件 |
| 建築年 | 昭和25年以前(金澤町家に該当) | ブランド価値+町家再生活用事業の補助対象 |
| 用途地域 | 簡易宿所が可能な地域(住居専用地域は要精査) | 旅館業の立地制限 |
| 想定定員 | 4〜6名(一棟貸し) | 家族・グループ単価を取り、清掃回転を抑える |
| 接道・消防 | 消防設備(誘導灯・自火報等)の設置が現実的 | 旅館業許可に消防法令適合通知が必要 |
金沢市は年々失われつつある町家の保全と活用に対して、手厚い補助金制度を設けている。これらを緻密に組み合わせることで、改修時のキャッシュアウトを最小限に抑えられる。しかも町家の伝統的な外観を復元する工事は、宿泊事業のブランディングと完全に一致する。補助金を使う工事が、そのまま商品力につながる。
| 制度名 | 補助対象となる事業内容・条件 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 金澤町家再生活用事業 | 旅館業法で規定された宿泊施設への改修(特定金澤町家等の条件あり)。外部修復工事、内部・内装改修、設備機器整備。伝統的素材(木・土・漆喰等)の使用。 | 経費の1/2以内 最大 300万円 ※屋根50万・内部等200万 等の内訳制限あり |
| 同上(耐震・防災関連) | 耐震性能診断、防災構造補強設計、防災構造整備(基礎・土台等の補強工事)。 | 耐震診断 3/4以内・最大30万円 防災補強 1/2以内・最大250万円 |
| 金沢まちなか空き家 リフォーム費補助金 |
まちなか区域内の空き家を居住または事業用として改修する場合。 | 最大 120万円 |
| 既存建築物耐震改修 工事費等補助制度 |
令和6年能登半島地震を受けて補助要件が緩和された木造住宅の耐震改修工事。 | 限度額 280万円 (補助率 10/10) |
金澤町家情報館・歴史都市推進課への相談は、単に補助金の手続きのためだけではない。彼らは町家の流通コンサルティングと保全活動の中心にいる。「金澤町家の文化的価値をDXで持続可能にするプレイヤー」として関係を作れば、未公開の優良物件情報にアクセスするパイプになる(第15章で詳述)。
2つの事業それぞれで、既存プレイヤーの型と、そこから漏れている領域を確認する。結論を先に書くと、宿では「システム化と人間味の両立」が空いており、ラーメンでは「原料そのもので差をつける」という戦い方が空いている。
クラスコ等の地元有力不動産会社が手がける形態。築古の木造アパートや町家を買い上げ、フルリノベーションののち簡易宿所として認可を取得し、投資家向けの収益物件(利回り7〜8%程度)として販売・運用代行する。
個人資産家や小規模リゾート運営会社が手がける、1日1組限定のプレミアムな町家宿。
ラーメン業態の競争軸は、立地・価格・スープの3つに集約される。立地と価格は資金があれば誰でも並べられる。スープもレシピを研究されれば近い味に追いつかれる。差が残るのは、他店が仕入れられない原料を使っている部分だけである。
| スープ | 供給の状況 | 模倣のしやすさ |
|---|---|---|
| 豚骨・鶏白湯・魚介・醤油 | 原料はどこでも仕入れられる | 容易(レシピ勝負になる) |
| 牛骨(輸入骨・交雑種) | 専門店は少ないが原料は入手可能 | やや難(技術で差がつく) |
| 牛骨(国産・和牛) | 通常の流通では一般の飲食店に出回りにくい | 極めて困難(仕入れ自体が壁) |
受付カウンターを、コストではなく店にする。
そこで一杯を出せば、規制対応がそのまま売上になる。
ここから3章で、自社のラーメン店を「施設外玄関帳場」として組み込む設計と、和牛骨の仕入で守りを固める考え方を説明する。
本章がこの計画の組み立ての中心になる。金沢の町中に開く自社のラーメン店を、宿泊事業の付加価値としてではなく、条例の要件を満たす機能として事業の中に組み込む。
第03章のとおり、金沢で簡易宿所を運営するには「おおむね10分以内に到着できる場所」への施設外玄関帳場の設置と、対面での本人確認が必要になる。通常、この要件を満たすにはチェックイン専用の拠点を賃貸するか、専門の代行業者に高額なフィーを払うしかない。多くの参入者がここで採算を崩す。
当社は、この受付機能をそれ自体で黒字になる事業に置き換える。受付のために家賃を払うのではなく、ラーメンで家賃をまかなう店の一角を帳場として使う。
①立地の絶対条件:ラーメン店は集客立地に置き、そこから10分の実測圏内でのみ町家を探す(第04章)。円の中心を自社で決められることが、この方式の強みである。
②オペレーション設計:宿泊客には事前の案内メッセージで「チェックイン手続きは、私たちが営む町中のラーメン店で行います」と多言語で告知する。客が店に到着すると、スタッフがカウンター端のタブレットを提示し、パスポートスキャンや電子署名を行う。本人確認が完了すると、スマートロックの暗証番号(PIN)が自動発行され、町家の解錠方法と道順が案内される。
③戦略的意義:受付拠点の家賃・人件費を宿泊事業から切り離しつつ、条例を完全にクリアできる。あわせて、到着した客の目の前にそのまま食事がある状態になる。
この受付カウンターが、法律上の「玄関帳場」になる
当社は、家業の焼肉店を通じて培った精肉のルートから、通常の流通では一般の飲食店に出回りにくい国産・和牛の骨を仕入れられる。時間をかけても他社が追いつきにくいのは、この部分だけである。立地は資金があれば買え、レシピも研究されれば近づかれる。しかし原料が手に入らなければ、同じ一杯は作れない。
和牛の骨を長時間炊き、乳化させて白湯に仕上げる。商品の要になる工程
牛骨スープを扱う店は全国的にも多くない。そのうえで「国産」「和牛」の骨となると、精肉業者との継続的な取引関係がなければ安定した数量を確保しづらい。ラーメン店が新規に「和牛骨で炊きます」と決めても、まず仕入先が見つからないところで止まる。
当社にとってこれは、探して見つけたものではない。焼肉店という家業が先にあったから、結果として持っているルートである。同じ調達をしようとすれば、精肉の取引そのものから始めることになる。
焼肉むつごろうで実際に供されている肉。この仕入れの延長線上に、和牛の骨がある
「国産・和牛の骨で炊いた牛骨白湯らーめん」は、金沢の他店が同じ言葉で名乗れない。説明が一行で済む差別化は、インバウンド客にも地元客にも等しく効く。
相場に振り回される一般流通ではなく、既存の取引関係の上で仕入れられる。第12章で原価率35%と置いた根拠にあたる。金山店の実績(35.3〜39.2%)の下限に合わせた数字である。
加盟店に骨またはスープ原液を卸すことで、継続収益とブランド統制を同時に握れる。味が崩れず、離脱もしにくい。FCで難しいのは品質を揃えることだが、原液を供給する形にすれば自然に揃う。
近隣の飲食店と提携して送客する形であれば、来店は「確率」の話にしかならない。本計画は違う。宿泊客は例外なく、100%の確率でラーメン店の中に立っている。チェックインがそこでしか完了しないからだ。あとは注文につなげるだけになる。
国産・和牛の骨を長時間炊いて乳化させた白湯スープ。これが商品の中心であり、送客の受け皿になる
コース料理への送客は「予約・時間・服装・予算」という4つの摩擦を伴う。ラーメンにはそれがない。荷物を持ったまま座れて、10分で出てきて、ひとりでも気まずくない。長旅の直後という状態に、これ以上フィットする業態はない。
さらに深夜まで開いていることが効く。到着直後は荷物を置きに行った客が、夜に戻ってくる。1泊で2回来店する導線を最初から設計できる。
宿泊予約サイト上で「和牛骨白湯らーめん+和牛炙りトッピング付き宿泊プラン」を販売する。宿の単価に食事を積み、ラーメン店には確実な客数が立つ。加えて宿泊者限定の深夜替玉無料のような軽い特典で再来店を作る。
実家の焼肉店は玄関帳場からは外れたが、計画から消えたわけではない。和牛骨の仕入ルートの出どころであり、事業上の位置づけはむしろ重い。
焼肉むつごろう(金沢市諸江町下丁)。ご夫婦が長年守ってきた、地元に根づいた一軒
| 項目 | 内容 | この計画にとっての意味 |
|---|---|---|
| 店名 | 焼肉むつごろう | 金沢での地域認知。開業時に既存の信用と顧客基盤を活かせる |
| 所在地 | 石川県金沢市諸江町下丁227-5 (北陸鉄道浅野川線 三口駅 徒歩5分) | 中心市街地から外れるため玄関帳場には使えない(第00章) |
| 業態 | ホルモン焼肉店 (卓上は昔ながらのロースター) | 精肉との取引関係が和牛骨ルートの出どころ。設備は素朴で、価値は肉にある |
| 営業 | 夜のみ営業(〜22:00)/月曜・火曜 定休 | チェックイン受付には使えない営業形態(第00章) |
| 客単価 | 1人あたり 3,000〜4,000円 | 宿泊客の夕食送客先としては単価も動線も重い。ラーメンが適する(第09章 9.1) |
| 建物 | 2階を従業員の居住スペースとして活用できる | U・Iターン採用で住居を出せる。地方の飲食店採用では効く条件になる(第22章) |
| 評価 | Google 4.5(44件)/Retty 4.7(10件) | 地元に支持されている実績。承継時の企業価値の土台になる |
| 特徴(口コミより) | ご夫婦で長年営む/上質な肉が自慢/2種類のタレのうち味噌ダレが絶品/おでん・つみれ酢などサイドも充実/冬は蟹面 | 味噌ダレの知見は牛骨ラーメンの味づくりへ転用できる |
数年後に予定している焼肉店のM&A(事業承継)は、単に家業を引き継ぐ話ではない。精肉の取引関係を、契約ではなく資本で自社内に取り込むという意味を持つ。第14章 R-03(仕入れ停止リスク)に対する最終的な解がこれである。
家業の取引関係を通じて和牛骨を確保する。関係は良好だが、制度としては当社の資産になっていない。
精肉の取引・目利き・人的関係を含めて内部化する。FCの供給機能を長期契約で約束できるようになる。
焼肉(和牛)/ラーメン(和牛骨)/宿。1頭の牛を無駄なく使い切る構造と、金沢での面の広がりが同時に生まれる。
このオペレーションは、外部サービスの寄せ集めでは組めない。金沢市の条例が求める施設外玄関帳場・対面での本人確認・宿泊者名簿の扱いに、そのまま合う既製品が無いためである。予約受付とOTAの在庫同期だけ既製のPMSを使い、その先 ― チェックイン、本人確認、解錠、多言語案内、宿泊税の区分 ― は自社で開発する。当社の本業はITであり、ここは外注せず自前で持つ。
買うのは、予約受付とOTA(Airbnb・Booking.com 等)の在庫・料金同期だけである。各OTAのAPI利用審査、ダブルブッキング対策、24時間の同期保守まで自前で抱えるのは開業までの工程に乗らないため、ここは既製のPMSを使う。
その先は自社開発する。チェックイン画面、旅券スキャンと人数確認の記録、宿泊者名簿、スマートロックの解錠PINの発行・更新・失効、多言語の事前案内、宿泊税の階層判定。いずれも金沢市の条例要件に合わせて作り込む必要があり、既製PMSの標準機能では埋まらない。スマートロック本体は市販品を使い、制御は自社で書く。
自社開発にする理由は3つある。①条例要件に合う既製品が無い ②同じ仕組みをFCパッケージと店舗DXパッケージでそのまま外販できる(第11章・10.3) ③当社に開発リソースがあり、現金支出ではなく自社工数で作れる。
注文・会計のセルフオーダーとPOSは、当社が現在開発中の自社オーダーシステムを使う。勤怠打刻×自動評価(Hata-Raku)、AIシフト作成(Shif-Match)、来店アンケート→口コミ誘導(GuestNote)は、熊猫商店の実営業で稼働している自社SaaSをそのまま載せる。金沢の新店は、自社プロダクトを一式で通す最初の店舗になる。
古い木の建具に、Wi-Fi型スマートロック。鍵の受け渡しが消える
| 業務 | 方式 | 区分 | 人手 |
|---|---|---|---|
| 予約受付・在庫同期(サイトコントローラ) | 既製PMS ↔ 各OTA | 外部サービス | 不要 |
| 料金・最低泊数の変動制御 | 既製PMSのレートルール設定 | 外部サービス | 月次の見直し |
| スマートロック本体 | Wi-Fi型スマートロック(市販品) | 外部調達(機器) | 不要 |
| 多言語の事前案内・ラーメン店への道順 | 予約データを受けて自動送信 | 自社開発 | 不要 |
| 本人確認・人数確認・宿泊者名簿 | 玄関帳場のタブレット画面(対面) | 自社開発 | 必要(条例) |
| 解錠PINの発行・更新・失効 | スマートロックのAPIを直接制御 | 自社開発 | 不要 |
| 宿泊税の徴収・区分管理 | 料金階層に応じ自動判定・レポート | 自社開発 | 月次の申告のみ |
| 清掃タスクの配信・完了確認 | チェックアウト連動で協力会社へ自動通知 | 自社開発 | ほぼ不要 |
| ラーメン店の注文・会計 | セルフオーダー+POS | 自社開発(開発中) | 大幅削減 |
| ラーメン店の勤怠・評価・シフト | Hata-Raku / Shif-Match | 自社SaaS(稼働中) | ほぼ不要 |
| 口コミ獲得・再来店促進 | GuestNote(宿もラーメン店も同じ仕組み) | 自社SaaS(稼働中) | 不要 |
自社で作った仕組みは、他社に売れる。既製SaaSの導入代行ではなく、自社プロダクトの提供になるため、粗利率も継続性も変わる。金沢市内で同じ法規制と人手不足に直面している旅館・町家運営者・飲食店に対し、店舗DXパッケージとして提供する。宿泊業単体の収益にとどまらず、本業の新規顧客開拓につながる。
金沢市の玄関帳場要件を満たす運用設計・申請支援。当社自身が通った道をそのまま売る。
チェックイン・本人確認・名簿・解錠PIN・宿泊税の区分までを自社開発。条例対応を織り込んだ状態で渡せるのは、自分たちが同じ条例の下で運営しているからである。
近隣飲食店と宿を結ぶプラン設計。自社で効果を検証済みの型として提供する。
町家の宿は物件の出方に完全に依存する。10分圏内で200㎡以下、適合証明が出る物件は、探しても年に何件も出ない。だから成長の主軸を、物件に縛られない事業に置く必要がある。それがFCパッケージである。
FCが売れるかどうかは、本部の都合ではなく加盟店にとって自力では手に入らないものを渡せるかで決まる。当社が渡せるのは次の3つで、この組み合わせを持つFC本部は他にない。
国産・和牛の骨(またはスープ原液)を供給する。これは加盟店が独立して真似できない部分であり、同時に本部の継続収益とブランドの統一を支える(第08章)。
セルフオーダー・POS・KPI分析・勤怠評価(Hata-Raku)・AIシフト(Shif-Match)・口コミ誘導(GuestNote)。いずれも当社が開発したプロダクトであり、他社のSaaSを再販するのではない。加盟店の人手不足に直接効き、本部側の継続収益にもなる。
10〜12席の小箱で回す前提のレイアウト、原価・FL比率の管理表、採用と教育の手順、開業前の販促。当社が金沢1号店で自ら通った手順をそのまま渡す。
収益は入口(加盟金・開業支援)と継続(ロイヤリティ・スープ原液や骨の供給・自社プロダクトの利用料)の2階建てを想定している。本命は継続のほうで、とくに供給は味の統一と本部収益を同時に担える。
試算 以下は当社が前提を置いて算出した試算値である。ただしラーメン店の費用構造だけは、当社が実際に出店した金山店(名古屋・40席)の収支計画表と、開業後6ヶ月の実績値を土台にしている。机上の比率ではなく、自分たちが払った実額から逆算した数字である。
| 項目 | 前提値 | 置いた理由 |
|---|---|---|
| ■ ラーメン店(金沢・町中)※ 金山店の実績で補正 | ||
| 店舗 | カウンター11席/10〜15坪/居抜き | 最小投資で帳場を兼ね、少人数で回す |
| 営業日数 | 開業月 24日 → 以降 28日/年345日 | 週1定休+年始。金山店と同水準 |
| 客数/日 | 開業月 58人 → 12ヶ月目 87人 → 3年目 95人 | 11席で回転5.3→8.6回。金山店が計画比9割で着地した実績を踏まえ、立ち上がりを緩やかに置いた |
| 客単価 | 開業月 1,180円 → 1,250円 → 3年目 1,300円 | 金山店は想定1,500円に対し開業月の実績が1,206円。開業月は単価が落ちる前提を明示的に織り込む |
| 食材原価率 | 35% | 金山店の計画33%に対し実績35.3〜39.2%。実績の下限に合わせて35%を採用した |
| 人件費 | 店長(社保込)40万円/月+パート 売上の18% | 金山店のPA人件費は計画14%に対し実績19.6〜25.7%。11席カウンターは40席居酒屋より構造的に軽いが、率は保守側に置く |
| 家賃 | 月25万円 | 売上比 7%(3年目)。金山店は77万円/40席・駅前 |
| 水道光熱費 | 売上の5.0% | 金山店は4.0%。寸胴を長時間炊くためガスを重めに見る |
| 決済手数料/消耗品・管理費 | 各 売上の1.5% | 金山店の収支計画表と同率 |
| 製麺機 | 導入しない(麺は製麺所から仕入) | 金山店は350万円で導入。11席の規模では減価が重すぎる。差別化は和牛骨のスープ側にあり、麺の内製は必須ではない |
| 加盟金・ロイヤリティ | なし | 金山店はFC加盟(加盟金198万・月11万)。金沢は自社ブランドのため負担なし。将来は本部側に回る構想がある(第11章) |
| ■ 金澤町家の宿(簡易宿所) | ||
| 物件 | 金澤町家1棟/延床 約120㎡/定員6名/一棟貸し | 用途変更200㎡以下の条件を満たす典型サイズ |
| 開業時期 | 2年目の頭(M14) | ラーメン店の開業と帳場登録が前提のため後ろになる(第13章) |
| 営業日数 | 365日(簡易宿所) | 民泊新法の約60日を回避するため(第03章) |
| ADR(1棟1泊・税抜) | 2年目 38,000円 → 3年目 45,000円 | 認知とレビュー蓄積に伴う単価上昇 |
| 稼働率 | 2年目 55% → 3年目 68% | 開業期の立ち上がりと閑散期を織り込んだ保守値 |
| 玄関帳場運営 | 1泊 1,500円をラーメン店へ内部振替 | グループ内取引。連結では相殺されるが、宿単体の採算を正しく見るため計上 |
| ■ 共通 | ||
| 資金調達 | 自己資金 1,100万円+借入 2,900万円 | ラーメン店 900万(7年)/町家 2,000万(15年・年2.0%) |
| 宿泊税 | 売上に含めず(宿泊者から預かり市へ納付) | 1人1泊20,000円以上は500円/人(第03章) |
| 減価償却・法人税 | 試算に含めない(キャッシュベース) | 意思決定用の粗い骨格として、まず現金の流れを見る |
当社は2025年12月に名古屋・金山駅前で40席のラーメン店を出店している。その収支計画表と、開業後6ヶ月の実績が手元にある。金沢の11席はこれを縮小して組み立てる。新規事業の試算で危ういのは、他社の一般論で比率を置いてしまうことである。当社にはその必要がない。
| 費目 | 金山店 (40席・1F+B1F) | 金沢店 (11席・居抜き) | 縮小の考え方 |
|---|---|---|---|
| 物件取得費等(造作譲渡・仲介・保証会社) | 720 | 240 | 居抜きの造作譲渡を小さく抑える |
| 保証金(償却50%) | 420 | 150 | 家賃25万円×6ヶ月 |
| 加盟金(FC) | 198 | 0 | 自社ブランドのため不要 |
| 店舗デザイン費用 | 100 | 30 | 小箱・居抜きのため設計範囲が小さい |
| 造作(内外装) | 700 | 280 | 厨房位置を動かさない前提 |
| 厨房設備 | 233 | 140 | 寸胴・冷蔵・製氷・食洗機。製麺機(金山350万)は入れない |
| 食器・調理器具 | 80 | 30 | 席数比 |
| レジ・通信機器等 | 70 | 30 | POS・セルフオーダー・帳場用タブレット |
| 開業前給与・研修 | 30 | 40 | 熊猫商店での実地研修を行うため厚め |
| 開業前家賃 | ― | 50 | 工事期間2ヶ月分 |
| 運転資金(初回仕入・求人・広告) | 280 | 180 | 12.5 の資金繰りで妥当性を検証 |
| 予備費 | ― | 30 | ― |
| 合計 | 2,831 | 1,200 | 席数比 0.275 に対し投資比 0.42 |
| 項目 | 計画 | 実績 | 金沢11席への反映 |
|---|---|---|---|
| 客単価 | 1,500円 | 開業月 1,206円 | 開業月を1,180円から入る設定に |
| 月商 | 700〜970万 | 637〜759万 (計画比 約9割) | 客数の立ち上がりを緩やかに |
| 食材原価率 | 33% | 35.3〜39.2% | 35% を採用 |
| PA(パート)人件費率 | 14.0% | 19.6〜25.7% | 18%(カウンター業態のため金山より軽い) |
| 総人件費率 | 36〜40% | 41.6〜47.4% | 30〜35% を採用(カウンター業態のため金山より軽い) |
| 家賃 | 77.0万 | 69.0〜75.9万 | 25万(11席・地方都市) |
| 広告宣伝費 | 10〜12.7万/月 | 0〜25.5万/月 | 開業3ヶ月 10万、以降 5万 |
| 項目 | ラーメン店 | 町家の宿 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 物件(取得費/保証金・礼金・仲介) | 390 | 1,300 | 1,690 |
| 造作・内外装/改修工事 | 310 | 1,300 | 1,610 |
| 厨房設備/家具・寝具・什器 | 140 | 250 | 390 |
| 食器・調理器具/設計監理・許認可 | 30 | 150 | 180 |
| IT導入(端末・スマートロック機器・既製PMS初期) ※ 自社開発分は自社工数のため計上しない | 30 | 60 | 90 |
| 開業前家賃・給与・運転資金・予備費 | 300 | 140 | 440 |
| 投資 合計 | 1,200 | 3,200 | 4,400 |
| 補助金(第05章・保守的に見込み) | ― | △400 | △400 |
| 実質投資額 | 1,200 | 2,800 | 4,000 |
| うち自己資金 | 300 | 800 | 1,100 |
| うち借入 | 900 7年 | 2,000 15年・年2.0% | 2,900 |
| 返済(元利) | 月11.5万 年138万 | 月12.9万 年155万 | 年293万 |
金山店の収支計画表と同じ形式で、金沢11席の開業後12ヶ月を月次に落とす。出店判断で本当に見るべきなのは年間の営業利益ではなく、手元の現金が尽きないかどうかである。
| 月 | 営業日 | 客数/日 | 客単価 | 売上 | 仕入 35% | 人件費 40万+18% | その他 経費 | 返済 | 単月差引 | 累計現金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 開業月 | 24 | 58 | 1,180 | 164 | 57 | 70 | 56 | 12 | △31 | 149 |
| 2ヶ月目 | 28 | 64 | 1,220 | 219 | 77 | 79 | 61 | 12 | △10 | 139 |
| 3ヶ月目 | 28 | 68 | 1,250 | 238 | 83 | 83 | 62 | 12 | △2 | 137 |
| 4ヶ月目 | 28 | 72 | 1,250 | 252 | 88 | 85 | 58 | 12 | +9 | 146 |
| 5ヶ月目 | 28 | 76 | 1,250 | 266 | 93 | 88 | 59 | 12 | +14 | 160 |
| 6ヶ月目 | 28 | 80 | 1,250 | 280 | 98 | 90 | 60 | 12 | +20 | 180 |
| 7ヶ月目 | 28 | 82 | 1,270 | 292 | 102 | 93 | 61 | 12 | +24 | 204 |
| 8ヶ月目 | 28 | 83 | 1,270 | 295 | 103 | 93 | 62 | 12 | +25 | 229 |
| 9ヶ月目 | 28 | 84 | 1,270 | 299 | 105 | 94 | 62 | 12 | +26 | 255 |
| 10ヶ月目 | 28 | 85 | 1,270 | 302 | 106 | 94 | 62 | 12 | +28 | 283 |
| 11ヶ月目 | 28 | 86 | 1,270 | 306 | 107 | 95 | 63 | 12 | +29 | 312 |
| 12ヶ月目 | 28 | 87 | 1,270 | 309 | 108 | 96 | 63 | 12 | +30 | 342 |
| 12ヶ月 計 | 332 | ― | ― | 3,222 | 1,127 | 1,060 | 729 | 138 | +162 | ― |
| 項目 | 1年目 (開業〜6ヶ月) | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| 営業日数 | 164日 | 345日 | 345日 |
| 客数/日(平均) | 70人 | 85人 | 95人 |
| 客単価(平均) | 1,230円 | 1,280円 | 1,300円 |
| 売上 | 1,419 | 3,754 | 4,261 |
| 食材原価(35%) | 497 | 1,314 | 1,491 |
| 社員給与・社保(店長) | 240 | 480 | 500 |
| パート人件費(売上の18%) | 255 | 676 | 767 |
| (人件費 小計/対売上) | 495/34.9% | 1,156/30.8% | 1,267/29.7% |
| 家賃 | 150 | 300 | 300 |
| 水道光熱費(5.0%) | 71 | 188 | 213 |
| 広告宣伝費 | 45 | 60 | 60 |
| 決済手数料(1.5%) | 21 | 56 | 64 |
| 消耗品・管理費(1.5%) | 21 | 56 | 64 |
| 通信費・雑費/修繕費/清掃衛生費 | 36 | 72 | 72 |
| システム利用料(通信・クラウド) | 12 | 24 | 24 |
| 費用 合計 | 1,348 | 3,226 | 3,555 |
| 営業利益 | 71 | 528 | 706 |
| (参考)営業利益率 | 5.0% | 14.1% | 16.6% |
| (参考)FL比率(原価+人件費) | 69.9% | 65.8% | 64.7% |
| 玄関帳場の受託収入(グループ内振替) | ― | 30 | 37 |
| 項目 | 1年目 | 2年目 (開業1年目) | 3年目 |
|---|---|---|---|
| ADR / 稼働率 | ― | 38,000円/55% | 45,000円/68% |
| 稼働泊数 | ― | 201泊 | 248泊 |
| 宿泊売上 | ― | 763 | 1,117 |
| OTA手数料(15%) | ― | 114 | 168 |
| 清掃・リネン(@8,000円/泊) | ― | 161 | 198 |
| 消耗品・アメニティ(@1,500円/泊) | ― | 30 | 37 |
| 水道光熱・通信 | ― | 48 | 48 |
| 既製PMS・スマートロックのクラウド利用料 | ― | 12 | 12 |
| 玄関帳場運営(ラーメン店へ内部振替 @1,500円/泊) | ― | 30 | 37 |
| 修繕積立(売上3%) | ― | 23 | 34 |
| 固定資産税・保険 | ― | 25 | 25 |
| 費用 合計 | ― | 443 | 559 |
| 営業利益 | ― | 320 | 558 |
外販として収支に織り込むのは、本業(ITコンサルティング)の延長にある店舗DXパッケージのみである。FCの収益は構想段階のため含めない(第11章)。
| 項目 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 算出根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 店舗DXパッケージ(本業) | ― | 210 | 540 | 初期30万+月額2万/2年目5件・3年目累計15件 |
| 粗利(率70%を前提) | ― | 147 | 378 | 主たる原価は自社工数 |
| (参考)FC 売上 | ― | 計上せず | 計上せず | 構想段階のため試算に含めない(第11章) |
| 区分 | 1年目 | 2年目 | 3年目 |
|---|---|---|---|
| ラーメン店 売上 | 1,419 | 3,754 | 4,261 |
| 宿泊 売上 | ― | 763 | 1,117 |
| 店舗DXパッケージ 売上 | ― | 210 | 540 |
| 連結売上 | 1,419 | 4,727 | 5,918 |
| ラーメン店 営業利益(+帳場受託) | 71 | 558 | 743 |
| 宿泊 営業利益 | ― | 320 | 558 |
| 店舗DXパッケージ 粗利 | ― | 147 | 378 |
| 連結営業利益 | 71 | 1,025 | 1,679 |
| 借入返済(元利) | 69 | 293 | 293 |
| 返済後キャッシュフロー | 2 | 732 | 1,386 |
試算 月数は当社が置いた想定であり、行政手続きの所要期間・物件の出方によって変動する。ただし順序は変えられない。簡易宿所の許可申請には玄関帳場の登録が必要で、そのためにはラーメン店が実在して営業している必要がある。宿を先に買っても、開けられない。
スキームの生死を決める確認を先に終える。ここを飛ばして物件から入ると、契約後に「帳場が認められない」「骨が足りない」で計画が崩れる。
立地は妥協しない。第12章の感度分析どおり、客数の下振れがこの計画で最も痛い。
1号店が回り始めた時点から並行して着手する。加盟希望が来てから慌てて整えることになりがちな部分を、先に固める。
自社サイトで公開している「Leale Town」。飲食・宿・SaaS・研修・保守が1つの街としてつながる構想を、金沢で実際の面にする
計画の強度は、都合の良い前提の数ではなく、都合の悪い事象への備えの数で決まる。以下は本計画が現実に壊れうる箇所を、影響度の高い順に並べたものである。
宿の側のスキームが崩れる。対策:物件契約より前に金沢市保健所へ照会し、回答を議事メモとして残す(Q-01/Q-04)。仮に不可なら、①店舗内に帳場専用の区画を壁で仕切る ②町家の敷地内に無人ではない帳場を設ける設計に切り替える ③遠隔面接(Q-02)が認められるならその方法で代替する ― の3案を用意する。この確認が終わるまで町家に手付を打たない。なおラーメン店単体の事業性はこの結果に影響されないため、計画全体が同時に倒れることはない。
第12章の感度分析どおり、客数2割減で3年目の営業利益は706万→約374万まで落ちる。下振れの影響が最も大きいのがここである。対策:①立地条件(昼夜の通行量)を絶対条件として妥協しない ②開業前に熊猫商店で試験販売し、味と提供時間を実営業で検証する ③支援先の人気店の監修を受け、ゼロから作らない ④開業初月からKPI分析で日商・回転・原価を日次監視し、早期に手を打つ。
強みが消えるだけでなく、商品が成立しなくなる。FCを展開していればより深刻になる。対策:3段構えで守る。①年間契約・数量契約で確保する(Q-06)②第二の仕入ルートを開拓しておく(国産和牛の他ルート、または部位の代替)③家業の焼肉店のM&A承継でルートを資本ごと内部化する(第09章)。あわせて価格上昇は「和牛骨」という説明力を根拠に価格転嫁できる余地を持つ。
古い町家では珍しくない。買った後に判明すると回収不能な損失になる。対策:契約前に建築士を同行させて事前ジャッジ。売買契約には「旅館業許可の取得」「適合証明の発行」を停止条件として明記し、不成立なら白紙解約できる形にする。
条件を緩めたい誘惑が最も強い箇所。対策:条件は緩めず母数を増やす。金澤町家情報館・NPO法人金澤町家研究会・地元不動産へ掘り起こしを依頼し、未公開情報のパイプを作る(第15章)。200㎡超は原則見送る。宿が遅れてもラーメン店は回っているため、待てるのがこの構成の強みである。
ラーメン店1,200万+町家3,200万を短期間に投じる。対策:①投資を2段階に分け、1段目の実績を見てから2段目に進む(第12章)②町家の借入実行を改修着工に合わせて後ろに置く ③補助金の交付時期と工事代金の支払時期のズレを運転資金で埋める(公庫と事前に相談)④1段目が想定を下回った場合は2段目を延期する判断基準を先に決めておく(例:開業6ヶ月時点の日商が想定の85%未満なら延期)。
情報開示書面や契約の不備は、加盟後の紛争リスクに直結する。味の崩れはブランド全体を傷つける。対策:1号店の開業と並行して法務を整備(Q-07)。品質統制はスープ原液の供給という物理的な手段で担保し、マニュアルと精神論に頼らない(第08章・第11章)。供給量を超える出店はさせない。
小箱でも店長が採れなければ開業できない。宿は清掃品質がレビューに直結する。なお名古屋から金沢へ人を移す前提は置かない。愛知から石川への人流を作ることは現実的でなく、採用は金沢で行う。対策:①住居を用意できることを採用の武器にする ― 家業(焼肉むつごろう)の2階を、U・Iターンで金沢に入る人の居住スペースとして確保できる(22.1)。地方の飲食店採用で住居を出せる会社は多くない ②採用は金沢で行い、研修だけを開業前の一時期、名古屋の熊猫商店で行う(移住ではないため現実的) ③Hata-Raku / Shif-Match で少人数でも回る体制を初日から入れる ④清掃は地元清掃会社と年間契約し、自社システム連動でタスクを自動配信して属人性を下げる。
チェックイン・宿泊者名簿・解錠PIN・宿泊税の区分は自社開発する(第10章)。開発が遅れれば宿の開業が止まり、開業後は24時間動くシステムの保守が本業の工数を食う。対策:①開発範囲を絞る。OTA連携は既製PMSに任せ、自社で作るのは条例要件に直結する部分だけにする ②宿の開業(M14)から逆算し、M12時点で通しのテストが終わっている状態をゲートの確認項目に加える ③PIN発行が落ちても運用が止まらないよう、紙のPINと物理鍵の予備運用を最初から用意する(第21章 手順7)④セルフオーダー+POSは開発中のため、開業に間に合う版をW20で確定させる(第17章)。
金沢市は規制を強化してきた経緯がある(2020年の旅館業条例改正、2024年の宿泊税改定)。対策:担当課との関係を継続的に維持し改正の予兆を早期に掴む。需求面ではラーメン店が地元客中心で成立していることがそのまま分散になる。宿は国内需求(政策需求・能登復興のビジネス客)と長期滞在で補い、修繕積立(売上3%)を災害対応の原資とする。
条件を満たす金澤町家、FCの加盟希望、後継者不在の事業 ― これらは公開市場に出る前に地域の関係者の間で動く。本章は、それらが当社に持ち込まれる関係をどう作るかの計画である。物件探索(第04章)とFC展開(第11章)の成否は、ここに依存する。
町家の流通コンサルティングと保全活動の中心を担う組織。単なる「物件の買い手」ではなく「金澤町家の文化的価値をDXで持続可能にするプレイヤー」としてアプローチする。
実家焼肉店の承継準備に向け早期から相談する。承継は「和牛骨の仕入れルートの内部化」という戦略的な意味を持つ(第09章)。
代表は愛知県の青年経済団体(青経塾・中小企業家同友会)に所属し、経営者間で実務的に支援し合う関係を築いてきた。同じ枠組みで金沢の商工会議所青年部・地元同友会に加入する。
当社の飲食コンサル先。味の監修とFCの共同展開のパートナーになり得る最重要の相手(第11章)。
自社SNS(Instagram等)で月4回以上の定常的な発信を行う。開業前の改修過程から公開することで、①開業時点での認知獲得 ②FC加盟希望者への説明資料 ③人材採用の3つを1つの活動で賄う。広告費を月5万円に抑えられる前提(第12章)は、この発信が機能することを織り込んでいる。
当社は名古屋・金山での出店を通じて、開業前の発信が初月の客数に直結することを確認している。金沢では改修着工(第13章 Phase 2)と同時に発信を開始する。
和牛の骨が湯気になるまで。原料の希少性がそのまま映像の価値になる。
朽ちた町家が息を吹き返す工程。before/after は最も強いコンテンツである。
規制をどう越えたかの記録は、同じ壁に悩む同業者にとって一次情報(=DX商談とFCの入口)。
実際の利用者の声。レビュー獲得とFC加盟希望者への説明資料の双方に使える。
計画は、監視する指標と最初の一歩が決まっていなければ動かない。以下のKPIは開業後に月次(ラーメン店は日次)で追う。アクションは計画に着手してからの30日を指し、第17章のW1〜W4にあたる。いずれも大きな金を使わずにできることで構成している。
| 区分 | KPI | 3年目の目標 | なぜ見るか |
|---|---|---|---|
| ラーメン店 | 日商 | 12.4万円 | すべての前提。日次で見る唯一の数字 |
| 客数/日・回転率 | 95人/8.6回 | 席数を増やせない以上、回転が売上の上限を決める | |
| 客単価 | 1,300円 | トッピング・サイド・餃子の付帯率で作る | |
| 原価率 | 35%以下 | 金山店の実績(35.3〜39.2%)を超えないことが合格線(R-03) | |
| FL比率(原価+人件費) | 65%以下 | 飲食店の採算を左右する。金山店の実績は70%前後で推移した | |
| 宿 | ADR | 45,000円 | 感度分析で稼働より効く変数 |
| OCC(稼働率) | 68% | 閑散期対策の効果測定 | |
| RevPAR(ADR×OCC) | 30,600円 | 単価と稼働のバランスを1つの数字で見る | |
| レビュースコア | 4.8以上 | 高単価を維持できるかどうかに直結する | |
| 導線 | 食事転換率 | 50%以上 | チェックイン客がその場で食事する率(第09章) |
| 帳場所要時間 | 8分以内 | ピーク時の店内オペレーションを妨げない上限 | |
| 外販 | DXパッケージ受注 | 累計15件 | 本業への波及効果(第10章)。FCのKPIは、構想が実行段階に入ってから設定する |
ここから実行編。
「何をやるか」ではなく「誰が・いつ・何を持って動くか」を書く。
第16章までが戦略編 ― 事業をやるかどうかを判断するための資料である。第17章から先は、やると決めたあとに印刷して現場で使うための資料にする。週次のタスク、窓口に持っていく書類、内見で埋めるチェックリスト、1杯ごとの原価、1日のオペレーション、帳場で読み上げる手順、そして撤退の判断基準。ここに書いていないことは、まだ決まっていない。
第13章の18ヶ月工程を、ラーメン店の開業(M7=第28週)までブレークダウンする。担当・成果物・完了条件のない行はタスクとして機能しないため、3列をすべて埋めた。担当は現時点の想定であり、採用が決まれば差し替える。
この8週間で使う金は、試験販売の食材費と交通費だけである。物件の契約はしない。ここで得た回答が、以降すべての前提になる。
| 週 | タスク | 担当 | 成果物 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|
| W1 | 金沢市保健所 衛生指導課へ照会(Q-01 飲食店の帳場登録可否/Q-02 遠隔面接/Q-04 帳場と厨房の区分) | 代表 | 照会議事メモ | 文書で回答の要旨を残す。口頭のみで先に進まない |
| W1 | 和牛骨の供給条件を確認(Q-06 数量上限・価格・年間契約・卸売可否・トレーサビリティ) | 代表 | 供給条件メモ | 月間確保可能量(kg)が数字で出ていること |
| W2 | 支援先の牛骨ラーメン店へ共同開発を打診(監修・共同ブランド・実名公表の可否) | 代表 | 意向確認メモ | 可否と条件の骨子が出ている |
| W2-3 | 試験販売の設計(レシピ案・原価表・提供時間の目標値) | 代表+熊猫商店 店長 | レシピ案・原価表v1 | 第20章の原価表が埋まっている |
| W3-4 | 日本政策金融公庫へ事前相談/商工会議所で支援制度を確認(Q-05) | 代表 | 資金計画案 | 借入可能額と条件の感触が得られている |
| W4-6 | 熊猫商店で牛骨ラーメンの試験販売(期間限定メニュー) | 熊猫商店 店長 | 実測データ | 1日あたり提供数・実原価率・提供までの秒数・残数を日次で記録 |
| W5-8 | ラーメン店の物件探索開始(不動産会社へ条件提示) | 代表 | 候補物件リスト | 第19章の条件を満たす候補が3件以上 |
| W6 | 地元建築士の確保(200㎡判定・適合証明) | 代表 | 業務委託の合意 | 内見同行の費用と所要日数が決まっている |
| W7-8 | 金澤町家情報館・歴史都市推進課へ相談(Q-03 補助金の併用可否・着工前申請) | 代表 | 補助金要件メモ | 申請時期と対象工事が特定できている |
| W8 | ゲート①:1段目に進むか判断 | 代表 | 判断記録 | 第23章のゲート①基準を満たすか |
| 週 | タスク | 担当 | 成果物 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|
| W9-14 | ラーメン店の内見・選定(第19章のチェックリストを持参) | 代表 | 記入済チェックリスト | ★条件をすべて満たす物件が1件 |
| W10-14 | 候補地の通行量を実測(平日/土日、昼/夜の4区分) | 代表 | 通行量メモ | 第19章の計測方法で各60分 |
| W12 | ブランド名の決定と商標出願 | 代表 | 出願番号 | 看板・SNSを出す前に出願する |
| W14-16 | 賃貸借契約・造作譲渡契約(第22章の確認事項) | 代表 | 契約書 | 用途・営業時間・排気の制約が契約書で確認済み |
| W15-18 | レシピ確定とスープ仕込み工程の数値化(第20章) | 代表+支援先監修 | 仕込み手順書 | 骨kgあたりの歩留まり(L)と1杯原価が実測で確定 |
| W16-20 | 内装の設計・相見積(2社以上)・工事請負契約 | 代表 | 実施図面・請負契約 | 予算310万円以内。帳場スペースが図面に入っている |
| W17-20 | 町家の探索開始(ラーメン店から10分の実測圏を地図化) | 代表 | 探索エリア図 | 徒歩・車それぞれの10分圏を実走で確定 |
| 週 | タスク | 担当 | 成果物 | 完了条件 |
|---|---|---|---|---|
| W21-26 | 内装工事 | 施工会社 | 完成 | 週1で現場確認。図面との差異を記録 |
| W21 | 食品衛生責任者の資格取得(未取得なら講習会を予約) | 店長 | 修了証 | 許可申請に間に合う日程で受講 |
| W22 | 飲食店営業許可の事前相談(保健所へ図面を持参) | 代表 | 指摘事項メモ | 着工前に構造設備の指摘を潰す |
| W22 | 消防へ防火対象物使用開始届の事前相談 | 代表 | 必要設備リスト | 誘導灯・消火器の要否が確定 |
| W23-26 | 店長の採用(金沢)と熊猫商店での研修 | 代表 | 研修完了記録 | 第21章の1日オペを1人で回せる |
| W24-26 | パート4名の採用(募集開始→面接→採用) | 店長 | 雇用契約書 | シフトが開業月から埋まる |
| W26 | 飲食店営業許可 申請・検査 | 代表 | 営業許可証 | 検査日から逆算して工事完了日を決める |
| W26-27 | 自社プロダクトの導入(セルフオーダー+POS〔開発中〕・Hata-Raku・Shif-Match・GuestNote) | 代表 | 稼働設定 | 実店舗で会計が通る。POSは開発中のため、W20時点で開業に間に合う版を確定させる |
| W27 | 仕入先の最終確定と初回発注(和牛骨・麺・タレ・什器) | 店長 | 発注書 | 開業初週の在庫が揃う |
| W27 | プレオープン(関係者・モニター)2〜3日 | 全員 | 改善リスト | 提供時間とオペの詰まりを潰す |
| W28 | 開業 | 全員 | ― | 第23章の日次KPI記録を初日から開始 |
許認可は「取れるかどうか」より「いつ取れるか」が工程を左右する。下表は必要な手続きと、窓口に持参する書類の一覧である。手数料と標準処理期間は自治体ごとに異なり、当社は金沢市の確定値を持っていない。推測で埋めず要確認のまま残し、W1〜W2の事前相談で確定させる。
| 手続き | 窓口 | 主な提出書類 | 時期 | 手数料/期間 |
|---|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 金沢市保健所 衛生指導課 |
営業許可申請書/施設の構造設備の概要/施設の図面(平面図・設備配置)/食品衛生責任者の資格を示す書類/法人の登記事項証明書/水道以外の水を使う場合は水質検査成績書 | 工事完了後に検査。着工前の事前相談が実質必須 | 【要確認】 |
| 食品衛生責任者 | 食品衛生協会等の講習会 | ―(調理師・栄養士等の有資格者は講習不要) | W21までに取得 | 【要確認】 |
| 防火対象物使用開始届 | 金沢市消防局 (所轄消防署) |
使用開始届出書/平面図/消防用設備等の配置図 | 使用開始の7日前まで(一般的な定め。要確認) | 【要確認】 |
| 防火管理者の選任 | 同上 | 防火管理者選任届出書/講習修了証 | 収容人員30人以上で必要。11席の当店が該当するかは要確認 | 【要確認】 |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届出 | 所轄警察署 | 営業開始届出書/営業所の図面/賃貸借契約書の写し 等 | 深夜0時以降も酒類を提供する場合。閉店24:00なら不要の見込みだが要確認 | 【要確認】 |
| 法人設立・開業関係 | 税務署・年金事務所・労基署 | ―(既存法人のため事業所の追加手続き) | 従業員雇用時 | ― |
| 手続き | 窓口 | 主な提出書類 | 時期 | 手数料/期間 |
|---|---|---|---|---|
| 旅館業(簡易宿所) 営業許可 | 金沢市保健所 衛生指導課 |
営業許可申請書/施設の構造設備を明らかにする図面/周辺の見取図/法人の登記事項証明書・定款/土地建物の登記事項証明書/施設外玄関帳場に関する書類(ラーメン店の位置・所要時間・運営体制)/建築基準関係規定に適合する旨の建築士の証明書/消防法令適合通知書 | 改修完了後。ラーメン店が営業していることが前提 | 【要確認】 |
| 消防法令適合通知書 | 所轄消防署 | 交付申請書/平面図/消防用設備等の状況 | 旅館業申請の前 | 【要確認】 |
| 建築基準法 用途変更 | 建築士→特定行政庁 | 200㎡以下のため確認申請は不要。ただし適合証明書は必要(第04章) | 設計時 | 建築士費用 |
| 宿泊税 特別徴収義務者 | 金沢市 市民税課 | 特別徴収義務者としての申告書 | 営業開始前 | ― |
| 補助金の交付申請 | 金沢市 歴史都市推進課/ 金澤町家情報館 |
交付申請書/設計図/見積書/現況写真 | 着工前(事後申請は不可の制度が多い) | 【要確認】 |
物件は感覚で決めない。同じ紙で全件を測れば、後から横に並べて比較できる。★は1つでも欠けたら見送る絶対条件。数値欄は現地で埋める。
メジャー(5m以上)/スマホ(写真・録画・方位)/この用紙/ガス・電気の容量が分かる書類の開示依頼書/建築士の連絡先(町家の内見時は同行)。写真は「入口から店内」「厨房」「分電盤」「ガスメーター」「排気ダクトの出口」「前面道路(昼・夜)」を必ず撮る。
| 区分 | 確認項目 | 基準 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| ★立地 | 町家から徒歩/車で10分以内に候補エリアがあるか | 必須(第04章) | □可 □不可 |
| 前面道路の通行量(19.3の方法で計測) | 昼・夜とも人通りが途切れないこと | 昼__人/h 夜__人/h | |
| 視認性(看板を出せる位置・角度) | 道路から店名が読めること | □良 □可 □不可 | |
| ★規模 | カウンター席が10〜12席取れるか(実測) | 必須 | __席 |
| 坪数(実測。図面と合っているか) | 10〜15坪 | __坪 | |
| 入口付近に帳場スペースを確保できるか | 必須(Q-01/Q-04) | □可 □不可 | |
| 設備 | ガス容量(寸胴を2口+麺茹で+コンロで連続使用できるか) | 最重要。容量不足は増設に高額 | __号/__kW |
| 電気容量(分電盤の主幹アンペア) | 冷蔵・冷凍・製氷・食洗機・IHの同時稼働 | __A | |
| 給排水・給湯(能力と位置) | 厨房位置を動かさずに済むか | □可 □要工事 | |
| 排気ダクトの経路と出口 | 近隣への臭気・騒音の苦情リスク | □良 □要確認 | |
| グリストラップの有無・容量 | 無い場合は新設費が発生 | □有 □無 | |
| 契約 | 用途制限(飲食可か。ラーメン=臭気の扱い) | 契約書で確認 | □可 □不可 |
| 営業時間の制約(深夜営業の可否) | 帳場の受付時間に直結 | __時まで | |
| 造作譲渡の範囲と金額(何が残り何が撤去か) | 厨房機器の現状と年式 | __万円 | |
| 原状回復の範囲(退去時のスケルトン義務) | 撤退コストに直結 | □軽 □重 | |
| 周辺 | 競合ラーメン店の数と価格帯(徒歩5分圏) | ― | __店/__円 |
| 区分 | 曜日 | 時間帯 | 計測 |
|---|---|---|---|
| 平日ランチ | 火〜木のいずれか | 12:00〜13:00 | 店前を通過する歩行者のみを60分カウント。車は別記。カウンターアプリを使い、10分ごとに小計を記録する |
| 平日ディナー | 同上 | 19:00〜20:00 | |
| 土日ランチ | 土または日 | 12:00〜13:00 | |
| 金土の夜 | 金または土 | 21:00〜22:00 |
| 区分 | 確認項目 | 基準 | 記入欄 |
|---|---|---|---|
| ★法規 | 用途変更の対象床面積(共用部を含む) | 200㎡以下(第04章) | __㎡ |
| 建築士の所見:適合証明を発行できるか | 必須 | □可 □要調査 □不可 | |
| 検査済証の有無 | 無い場合の調査負担を確認 | □有 □無 | |
| ★立地 | ラーメン店からの実測所要時間(徒歩・車) | おおむね10分以内 | 徒歩__分/車__分 |
| 建物 | 建築年(昭和25年以前=金澤町家該当か) | 補助金の対象要件 | __年 |
| 構造の状態(基礎・土台・柱の傾き・雨漏り跡) | 耐震補強の規模を左右 | □良 □要補強 | |
| 設備 | 水回りの位置と更新の要否(浴室・トイレ・厨房) | 改修費の最大要因 | □軽 □全更新 |
| 消防設備の設置が現実的か(誘導灯・自火報) | 旅館業許可の前提 | □可 □要確認 | |
| 商品力 | 坪庭・格子・梁など写真になる要素があるか | ADR 45,000円の根拠 | □有 □無 |
| 定員4〜6名を取れる間取りか | 一棟貸しの採算 | __名 | |
| 近隣 | 両隣との距離・生活音・ゴミ集積所の位置 | 苦情リスク(条例の趣旨) | □良 □要配慮 |
第12章の原価率35%は、天から降ってきた比率ではない。商品ごとの売価と原価を置き、併売率を掛けて積み上げた結果である。この表が変われば第12章の数字も変わる。開業前の試験販売(W4-6)で実測に置き換える。
| 商品 | 売価 (税込) | 原価 | 原価率 | 構成比/ 併売率 | ねらい |
|---|---|---|---|---|---|
| ■ 主力(1人1杯) | |||||
| 和牛骨白湯らーめん(醤油) | 980 | 353 | 36.0% | 50% | 看板。地元客が毎日通える価格の上限 |
| 和牛骨白湯らーめん(塩) | 980 | 343 | 35.0% | 20% | スープの質が最も出る。インバウンド向け |
| 特製和牛骨白湯らーめん | 1,380 | 524 | 38.0% | 30% | 客単価を引き上げる主役。原価率は高いが粗利額が大きい |
| 主力 加重平均 | 1,100 | 402 | 36.5% | 100% | ― |
| ■ サイド(併売率=注文する客の割合) | |||||
| 和牛炙りトッピング | 380 | 171 | 45.0% | 20% | 和牛を「見える形」で出す一品。宿泊プランにも組む |
| 味玉 | 130 | 39 | 30.0% | 25% | 粗利率が高い |
| ライス | 150 | 30 | 20.0% | 30% | 最も粗利率が高い。スープを残させない |
| 餃子(6個) | 380 | 114 | 30.0% | 25% | 熊猫商店の自家製黒豚餃子を横展開 |
| 生ビール | 550 | 193 | 35.0% | 10% | 夜と宿泊客 |
| ソフトドリンク | 250 | 50 | 20.0% | 10% | ― |
| サイド 加重合計 | 329 | 106 | 32.2% | ― | ― |
| 客単価(税込) | 1,429 | 508 | 35.5% | ― | 税抜 1,299円 = 第12章の3年目前提 1,300円 |
| 項目 | 設計値 | 備考 |
|---|---|---|
| 寸胴 | 60L × 2本 | 1本を炊き、1本を提供に使う2本運用 |
| 和牛骨(1回) | 25kg | ゲンコツ・背骨。部位の構成は Q-06 で確定 |
| 下処理 | 血抜き 2時間+下茹で | 臭みの管理。ここを省くと商品が壊れる |
| 炊き出し | 12時間 | 強火で炊き続けて乳化させ、白湯に仕上げる。ガス容量の要件になる(第19章) |
| 歩留まり(完成スープ) | 約45L | この数字が原価を決める。実測必須 |
| 1杯あたり使用量 | 300cc | ― |
| 1回の仕込みで取れる杯数 | 約150杯 | 日商95杯なら毎日1本仕込み・2日サイクル |
| 1杯あたりの骨使用量 | 約167g | 25kg ÷ 150杯 |
| 骨の仕入単価 | 1回(25kg) | 1杯あたり | 1杯総原価への影響(醤油・目標353円) |
|---|---|---|---|
| 200円/kg | 5,000円 | 33円 | 余裕。トッピングを厚くできる |
| 300円/kg | 7,500円 | 50円 | 想定内 |
| 400円/kg | 10,000円 | 67円 | 本計画の前提(原価353円のうちスープ67円) |
| 600円/kg | 15,000円 | 100円 | 原価率が約38%へ。売価改定か構成比の見直しが必要 |
| 要素 | 原価 | 調達 |
|---|---|---|
| スープ(和牛骨 167g) | 67 | 自社ルート(Q-06)。FCではここを卸す |
| 麺 | 90 | 製麺所から仕入(製麺機は導入しない) |
| チャーシュー(和牛) | 110 | 同ルート。和牛を「食べて分かる形」で載せる |
| かえし・香味油 | 35 | 自家製。味噌ダレの知見(第09章)をここに使う |
| 具材(ねぎ・メンマ・海苔) | 50 | 地元仕入 |
| 消耗品(紙・割箸等) | 1 | ― |
| 合計 | 353 | 売価980円に対し 36.0% |
ラーメン店の営業と、宿のチェックイン受付を同じ店の同じ人間が回す。これが成立するかどうかは、時間帯の設計にかかっている。結論から書くと、チェックインは中休み(15:00〜17:00)に寄せる。営業のピークから離れており、店長が仕込みで在店している時間帯にあたるためである。
| 時刻 | 業務 | 担当 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 08:00 | 出勤。和牛骨の下処理(血抜き・下茹で) | 店長 | 第20章の仕込み設計に従う |
| 09:00 | 前日仕込みスープの火入れ・濾し/かえし・チャーシューの仕込み | 店長 | ― |
| 10:30 | 出勤。仕込み仕上げ・清掃・釣銭準備 | パートA | ― |
| 10:45 | 朝礼(5分):本日の目標杯数/在庫/当日のチェックイン予定を共有 | 全員 | 自社システムの当日リストを毎朝印刷する |
| 11:00 | 昼営業(L.O. 14:30) | 店長+パートA | ピークは12:00〜13:30 |
| 15:00 | 中休み = チェックイン推奨時間帯(〜17:00) | 店長 | 新しい寸胴の炊き出し開始・発注・売上入力をしながら帳場対応 |
| 16:30 | 出勤・引き継ぎ | 夜責任者 | ― |
| 17:00 | 夜営業(L.O. 23:00) | 夜責任者+パートB | ピークは19:00〜21:00 |
| 23:30 | 閉店・清掃・レジ締め | 夜責任者 | ― |
| 〜00:15 | 日次KPIの入力(第23章)と翌日の仕込み準備 | 夜責任者 | これを飛ばすと数値管理が止まる |
| 役割 | 時間 | 1日 | 月間 | 主担当 |
|---|---|---|---|---|
| 店長(社員) | 08:00〜17:00 | 9.0h | ― | 仕込み・昼営業・帳場・数値管理 |
| 夜責任者(パートリーダー) | 16:30〜24:00 | 7.5h | 195h | 夜営業・締め・遅い時間の帳場 |
| パートA(昼) | 10:30〜15:00 | 4.5h | 117h | ホール・洗い場 |
| パートB(夜) | 17:30〜23:30 | 6.0h | 156h | ホール・洗い場 |
| パートC(金土のみ) | 17:30〜23:30 | 6.0h | 48h | ピーク増員 |
| パート月間合計 | 516h | 時給1,100円で約56.8万円=売上の18%(第12章の前提と一致) | ||
これは条例が求める「面接による本人確認及び人数確認」を、店の営業を止めずに実行するための手順である。そのまま印刷してカウンターに置く。所要時間の目標は1組8分以内。
| # | やること | 言うこと/注意 |
|---|---|---|
| 1 | 朝礼で当日のチェックイン予定を確認 | 氏名・人数・到着予定時刻。予定表をカウンター内に貼る |
| 2 | 来店時に声をかける | 「ご宿泊のお手続きですね。こちらへどうぞ」/多言語の案内カードを提示する |
| 3 | タブレットで予約を照合 | 氏名・泊数・人数を画面で確認 |
| 4 | 身分証/旅券の提示を受けてスキャン | 国内に住所を有しない外国人宿泊者は旅券の写しの保存が必要(旅館業法) |
| 5 | 全員の顔と人数を目視で確認する | これが条例の「面接」。代表者1名だけで済ませない。同行者が車内にいる場合は降りてもらう |
| 6 | 宿泊者名簿に記入・電子署名 | 氏名・住所・職業・前後の行程等。名簿の保管方法は Q-01 の回答に従う |
| 7 | PINを発行し、道順とあわせて渡す | 自社システムがスマートロックへPINを自動発行。紙でも渡す(通信不良の保険) |
| 8 | 注意事項を説明する | ゴミの出し方・夜間の騒音・近隣への配慮・チェックアウト時刻。条例が定められた理由そのものなので省略しない |
| 9 | 食事を案内する | 「いまお食事もできます。和牛の骨で炊いた白湯スープです」/ここが転換率50%(第09章)の実体 |
飲食の出店で開業が遅れる原因は、工事より人と書類である。誰をいつ採り、何の紙をいつ交わすかを先に決める。
| 役割 | 人数 | 採用時期 | 条件の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 店長(社員) | 1 | W23までに確定 | 月額40万円(社保込・第12章) | 金沢で採用し、開業前に熊猫商店で4週間の研修(22.2)。採用の遅れが工程を左右する |
| 夜責任者 | 1 | W24-26 | 時給1,300円前後 | 締めと発注を任せる。将来のFC1号店の店長候補 |
| パート(ホール・洗い場) | 3 | W24-26 | 時給1,100円前後 | 昼1・夜1+金土の増員1 |
| 週 | 内容 | 到達条件 |
|---|---|---|
| 1週目 | 仕込み(骨の下処理・炊き出し・濾し・かえし・チャーシュー) | 1人でスープを1本仕上げられる。歩留まりを記録できる |
| 2週目 | 提供(麺上げ・盛り付け・ホール・レジ) | ピーク帯で提供5分以内を維持できる |
| 3週目 | 数値管理(棚卸し・原価率・発注・シフト) | 日次KPIを自力で入力し、原価率を説明できる |
| 4週目 | 玄関帳場のオペレーション(21.3の9ステップ・IT操作) | ロールプレイで1組8分以内。例外パターンに答えられる |
| 書類 | 相手 | 時期 | 特に確認する点 |
|---|---|---|---|
| ■ ラーメン店 | |||
| 賃貸借契約書 | 貸主 | W14-16 | 用途(飲食・臭気)/営業時間の制約/原状回復の範囲/看板の設置可否 |
| 造作譲渡契約書 | 前テナント | W14-16 | 譲渡対象の明細と年式/不具合時の責任/撤去義務の所在 |
| 工事請負契約書 | 施工会社 | W20 | 工期と遅延時の扱い/保健所・消防の検査に間に合う完了日/追加工事の単価 |
| 雇用契約書・労働条件通知書 | 店長・パート | W24-26 | 所定労働時間/深夜割増/試用期間 |
| 仕入契約(和牛骨) | 精肉ルート | W8までに骨子 | 年間数量・価格改定の条件・FC加盟店への卸売の可否(Q-06) |
| 火災保険・施設賠償責任保険 | 保険会社 | 開業前 | 食中毒・借家人賠償・休業補償の有無 |
| 商標出願 | 特許庁 | W12 | 区分(飲食物の提供=第43類、食品=第29/30類)。看板を出す前に出願 |
| ■ 宿・その他 | |||
| 売買契約書(町家) | 売主 | M8 | 停止条件:旅館業許可の取得/建築士の適合証明の発行(第14章 R-04) |
| 清掃業務委託契約 | 地元清掃会社 | M12 | 繁忙期の対応可否/連絡手段/品質基準 |
| 玄関帳場の運営に関する社内規程 | ― | M12 | グループ内振替(1泊1,500円)の根拠と、帳場業務の責任範囲 |
| FC契約書・情報開示書面 | 加盟希望者 | Y2 | 中小小売商業振興法の該当性を含め専門家のレビュー必須(Q-07) |
計画が壊れるのは、判断基準を決める前に走り出したときである。各段階で「何が満たされたら次に進むか」を数値で固定し、満たさなければ止まる。止まる判断を先に文章にしておくことが、実行計画で最も効く。
| ゲート | 時期 | 通過条件(すべて満たすこと) | 満たさない場合 |
|---|---|---|---|
| ① 1段目に 進むか | W8 |
・Q-01:飲食店を施設外玄関帳場として登録できる(または代替案が成立する) ・Q-06:和牛骨を月750kg以上安定して確保できる(1日25kg×30日=1号店の必要量) ・試験販売で提供5分以内かつ実原価率38%以下 ・借入の見通しが立っている |
物件契約に進まない。Q-01がNOなら宿を切り離しラーメン店単体で再計算する |
| ② 開業日を 確定してよいか | W20 |
・店長候補の母集団がある(金沢での募集。住居ありを条件に出せている) ・内装見積が310万円以内 ・保健所・消防の事前相談で重大な指摘がない ・スープの歩留まりが実測で確定している |
開業を1ヶ月後ろへ倒す。採用が整わないまま開業しない |
| ③ 2段目 (町家3,200万)に 進むか | 開業6ヶ月 |
・手元現金が計画の70%以上(計画180万に対し126万以上) ・日商が計画の85%以上(6ヶ月目 計画100万/日商10.0万 → 8.5万以上) ・原価率38%以下 ・主要OTA/Googleのレビューが4.3以上 |
町家の取得を3ヶ月延期して再判定。2回連続で満たさなければ宿は見送る |
| ④ FC展開に 進むか | 開業12ヶ月 |
・単月営業利益が3ヶ月連続で黒字 ・オペレーションマニュアルが文書化されている ・Q-06の供給量が加盟店分を含めて賄える(6店なら月5,250kg) ・FC契約書・情報開示書面の法務レビューが完了 |
加盟募集を開始しない。供給が足りないまま加盟させるのが最悪の失敗(第11章) |
| 頻度 | いつ | 参加 | 見る数字 | 決めること |
|---|---|---|---|---|
| 日次 | 閉店後10分 | 夜責任者 | 日商/客数/客単価/併売率/提供時間/廃棄 | 翌日の仕込み量と発注。入力を飛ばさない |
| 週次 | 月曜 午前30分 | 店長+代表 | 前週の推移/シフト/クレーム/在庫 | 今週の1つの改善テーマ |
| 月次 | 第1営業日 60分 | 店長+代表 | P/L/原価率・FL比率/ゲート指標/店長の残業時間 | 翌月の重点。ゲート③④の進捗確認 |
| 四半期 | ― | 代表 | メニュー構成・価格・仕入価格の推移 | 価格改定の要否/和牛骨の契約更新 |
規制対応を収益事業に変え、
仕入で守る。
本事業は、金沢市の厳格な条例(玄関帳場の設置・対面での本人確認)を、自社ラーメン店という収益事業に置き換えることで満たす。商品の差別化は模倣困難な和牛骨の仕入に置き、成長は物件に縛られないFCパッケージで確保する。初期投資4,400万円(補助金見込後4,000万円)・うち借入2,900万円に対し、3年目の連結営業利益は1,679万円、年間返済額293万円に対する返済余裕率は5.7倍を見込む(FCの収益は含めていない)。投資は2段階に分け、1段目(ラーメン店1,200万円)の実績を確認してから2段目(町家3,200万円)へ進む。進む条件と撤退の条件は、いずれも第23章に数値で定めた。